国が支給する助成金は、その手続の煩雑さや、内容が周知されていないために受給申請する事業主が少ないといわれています。
しかし、昨今の経済状況の中で必死で企業や従業員の雇用を守ろうとする動きが見られ、助成金の申請件数も激増している状況です。
そこで、頑張っている会社への応援になればと思い、しばらくの間ここでは各種助成金の紹介を行って行きたいと思います。
そもそも助成金(厚労省管轄分)とは、事業主が支払っている『雇用保険』の労働二事業分(一般の事業で0.3%)から捻出されています。決してすべて税金で払われるのでなく、会社が負担している保険料から賄われているものなので、必要に応じて受給するのが正道と言えます。
当然に、雇用保険に加入していることが第一条件です。
さて、今回の『雇用調整助成金』は今、最も注目され、活用されている助成金ではないでしょうか。
さっそく内容を見てみましょう。
「景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、その雇用する労働者を一時的に休業、教育訓練又は出向をさせた場合に、休業、教育訓練又は出向に係る手当若しくは賃金等の一部を助成します。」
主な受給要件は
(1)最近3ヶ月間の売上高又は生産量等がその直前3ヶ月間又は前年同期比で5%以上
減少していること。
(2)従業員の全一日の休業または事業所全員一斉の短時間休業を行うこと。
(平成21年2月6日から当面の期間にあっては、当該事業所における対象被保険者等毎に
1時間以上行われる休業(特例短時間休業)についても助成の対象となります。)
(3)3ヶ月以上1年以内の出向を行うこと。
・大型倒産等事業主などの特定の事業主については(1)と要件が異なります。詳しくは
最寄りのハローワークにお問い合わせください。
つまり、売上高が前年比95%以下に落ち、休業や時短を行った会社という事になります。該当する会社は結構多いのではないでしょうか。
気になる受給額は
○休業等
休業手当相当額の2/3(上限あり) ※従業員の解雇等を行わない事業主に対しては助成率を
上乗せしています。
支給限度日数:3年間で300日(最初の1年間で200日分まで)
(大型倒産等事業主など特定の事業主については、支給限度日数が異なります。詳しくは最寄りのハローワークにお問い合わせください。)
教育訓練を行う場合は上記の金額に1人1日1,200円を加算
○出向
出向元で負担した賃金の2/3(上限あり)
会社都合の休業だと休業手当を支給しなければいけませんが、その額の2/3を助成してくれます。
休業手当が賃金の6割以上、その額の2/3を助成するから、企業としては休業手当の残り1/3を負担するので
6/10×1/3=2/10。賃金の20%程度を負担するだけになります。
さらに、半年間で解雇などなければ上乗せ支給もあります。
雇用を守り、がんばっている会社・事業主の皆さん、ぜひ活用を検討してみましょう。
少々の手間を惜しんでいてはもったいないです。