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2009年05月22日

インフルエンザと休業の取扱

連日の報道で騒がれている新型インフルエンザ。テレビの「ニュース速報」まで出して少々神経質になっている感じもしますが、いざ新型インフルエンザで従業員を休業させた場合は、会社は給与の取扱いをどうすればいいのでしょうか?現実問題として事前に対応を決めておく必要はあると思います。

労働基準法第26条では、次のように定められています。

『使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。』

つまり、「使用者の責に帰すべき事由」でなければ、休業手当を支払う必要はないということになります。

この事由に含まれないものは、不可抗力によるもので、次の2つの要件を満たしたものが妥当と考えられています。
1)その原因が事業の外部より発生した事故であること
2)事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くして、なお避けることのできない事故であること

以上を踏まえると、国や県などから強制的、あるいは要請されることによる休業の場合
⇒休業手当の支払は必要ない。

事業主の自主的な判断による休業の場合
⇒休業手当の支払は必要。

(ケース1)
新型インフルエンザにかかった、もしくはかかったと思われる従業員を休業させた場合
⇒ 休業手当の支払は必要ない。
(ただし、「かかったかもしれない」という疑いのみで根拠のない休業の場合は支払い義務が発生します。)

労働安全衛生法第68条(病者の就業禁止)においては次のように定められています。『事業者は、伝染病の疾病その他の疾病で、厚生労働省令で定めるものにかかった労働者については、厚生労働省令で定めるところにより、その就業を禁止しなければならない。』

(ケース2)
従業員の感染に伴って他の従業員を休業させた場合
⇒休業手当の支払は必要ない。

他の従業員や顧客などへの感染防止のための休業は合理的であると考えられます。ただし、感染の恐れがあるか否かについては産業医などの専門家の意見を聴いて判断することが必要です。

とは言え、、実際に潜伏期間中を含め自宅待機期間を無給とすれば、休業が長期間になるため感染している従業員が会社に適切な報告をしないで勤務するなどが考えられます。

そこで、特別に会社が給与を何らかの形で支給する事も検討しておく必要があると思います。

厚生労働省の「新型インフルエンザ対策関連情報」などを参考に、最新の情報で適時判断して対策を講じる必要があると思います。





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Posted by サーフ at 10:14│Comments(0)ニュース
 
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